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2006年06月02日

●金融商品の価値の定義1

市場での取引価値

ストック・オプションに限らず、様々な金融商品の評価については、実際に市場で取引されている価格がその金融商品の価値であるとする考え方が大勢を占めます。

いくら様々な評価手法を使い、理論値とよばれる評価額を算出したとしても、それらの値は現実に取引されている価格ほど説得力は持ちません。ストック・オプション会計基準においても、『公正評価は、第一義的には、市場において形成されている取引価格』と定めています。
一般に現物といわれる、株、債権、通貨、原油、穀物などの価格はその取引市場で一義的に決定され観察することも容易です。金融商品に限らず不動産の価格も同様に市場から知ることができます。但し、デリバティブ(派生商品)といわれるオプション取引などは一部のプロフッショナルの間で相対※1で取引されることが多く、また商品の多様性から一義的に価値を決定することが困難なケースが多いのが現状です。
例えば旧UFJホールディングの株価が6,400円/株で取引されているとします。 同時に1年後行使価格7,000円の同社の株式コール・オプション※2が1,000円/個で取引されていることが観察されているとします。
これだけの情報でトヨタが発行する期間5年のストック・オプションの評価が可能かというと、残念ながらそうではありません。
オプションは発行条件の変数が、現物株にくらべると非常に多く全く同様の発行条件のオプションを市場で見つけることはほとんど不可能といえます。
また上場株式のほとんどは、オプション取引市場が充実していないので上記のような比較さえできないのが現状です。


※1:相対
 取引所を通さず、参加者同士が直接取引すること OTC(OVER THE COUNTER)とも呼ばれる。

※2:株式コールオプション
 株式を購入できる権利、ストック・オプションは通常はコール・オプションとなります。