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2006年08月01日

●ボラティリティの考え方

ボラティリティはオプション評価のうえで重要は基礎数値であることは誰もが認めているところです。しかし、専門家ではない限り、ボラティリティを「株価の変化の度合い」と解釈している人が多いようですが、厳密に言えば、この考え方は間違っています。

Q:値動きのグラフにおいて、ボラティリティの高い順に並べよ
5-15-1.gif

A:A−C−B,Dの順番にボラティリティは高い。

ボラティリティは資産の変化率を表すのではなく、期待収益率からどれだけバラツキがあったかを示すものです、従ってDのように観察期間中にどれだけ資産価格が上昇しても、その上昇の仕方が一定であれば、ボラティリティはゼロとなり、全く動かなかった相場Bと同じになります。ある観察期間のスタート時の株価とエンド時の株価を、直線で結んだ経路が最短距離になりますが、その直線上を動いたとき、ボラティリティはゼロになるということです。 その最短距離に対して、どれだけ寄り道したかで、ボラティリティの大きさが決まってくるのです。これは物理学における力の考え方とよく似ています。物理学では、力がかかっていないという意味で、等速で一定方向に動いていることと静止していることは同じとみなします。ボラティリティも同様の考え方をしますので、まったく動かなかったB株と毎期間一定の上昇を続けたD株は両者ともボラティリティはゼロということになります。※

※ボラティリティの算定期間は0期から24期とします、同じ動きをしていても算出期間によってボラティリティの値は異なってきます。