ストックオプションのブログ

ストックオプションに関する扱いは、会社法施行により、①発行決議要件の解釈、及び②役員報酬規制との関係の2点が変わりました。

①発行決議要件の解釈
従来、無償で発行するストックオプションは、特に有利な条件で発行する新株予約権として位置づけられ、株主総会の特別決議を経て、発行されていました。しかし、ストックオプション会計の施行に伴い、会社法においては、無償で発行する新株予約権＝有利な発行という考えを採用せず、「職務執行の対価」として、新株予約権を発行する限り、ストックオプションは、労働サービスの対価として公正な条件で発行する新株予約権として解釈され、取締役会決議のみで、発行するものと解釈されています。
但し、取締役会の決議でストックオプションを発行できるのは、公開会社に限定されます（会社法240条1項）。従前の商法においても、非公開会社における新株予約権の公正発行は株主総会の特別決議となっていましたので、非公開会社の扱いは、何ら変わったわけではありません。

②役員報酬規制との関係
取締役に付与するストックオプションは、取締役報酬の枠内で発行しなければならないため、会社法361条に基づく株主総会の決議が必要です。ストックオプション会計基準の登場により、ストックオプションの公正な評価額を算定するインフラが整備されたため、「報酬等のうち額が確定しているもの」（会社法361条1項1号）として、ストックオプションの公正な評価額総額を報酬枠内の範囲に含めておくことが留意点としてあげられます。なお、未上場会社のように公正な評価額の算定が困難な場合には、「報酬等のうち額が確定していないものについては、その具体的な算定方法」（会社法361条2号）による決議を行ないます。
上記のいずれの場合でも、会社法361条1項3号「報酬等のうち金銭でないものについては、その具体的な内容」を決議することが必要です。
　なお、監査役、会計参与についても報酬規制がありますので、同様に株主総会の決議が必要です（会社法379条、387条）。

2006年07月26日

●会社法施行による変化は？