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2007年12月13日

●平成19年11月にストック・オプションを割当てた上場企業

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平成19年11月にストック・オプションを割当てた企業は11社

当月の注目すべきストック・オプションは、リサ・パートナーズのストック・オプションです。新株予約権の取得事由および取得条件に“新株予約権割当日から新株予約権を行使することができる期間の開始日の前日までの間に、東京証券取引所における当社普通株式の普通取引の終値が一度でも権利行使価格の70%(1円未満の端数は切上げ)を下回った場合において、当社取締役会が取得する日を定めたときは、当該日が到来することをもって、当社は当該新株予約権を無償で取得することができる。”と記載があります。

つまり、平成19年11月29日から平成21年11月14日の間に終値が一度でも191,800円(権利行使価格274,000円の70%)を下回ったら、このストック・オプションの権利は消滅してしまうというものです。

この特殊なストック・オプションは3つのメリットがあると考えられます。

1、株主に効果的なアナウンスができる。
株主から見て、この条件が付されているストック・オプションは、企業側と従業員側の「株価を今の70%以下にはしない」という決意表明と受け止められます。また、従業員が自社株価に対して意識を持つようになり、株価を下げないためには何をするべきかを考えるきっかけとなります。

2、ストック・オプションの費用を削減することができる。
株価が30%下落した時点でストック・オプションを行使する権利が消えてしまい、ストック・オプションの付与者にとっては不利な条件であることから、このストック・オプションの価値は、他の何も条件の付されていないストック・オプションの価値よりも低くなります。

3、有価証券報告書上、意味のない潜在株を消却できる。
何も条件の付されていないストック・オプションでは、割当てた後に企業が想定していたよりも株価が下落した場合、本来のインセンティブ機能を無くしたまま権利行使されることなく潜在株として、有価証券報告書に毎年記載され続けます。しかし、株価が下落したら消滅するというこのストック・オプションは、潜在株としていつまでも有価証券報告書に記載されないことになります。


リサ・パートナーズが11月29日に割当てたストック・オプションには、以上のようなメリットがあると考えられ、今後もこのような条件が付されているストック・オプションの発行が増えてくるのではないかと予想されます。