2007年01月10日

ストックオプション費用の測定

会計理論では、発生した費用を認識し、その後に測定することとなります。会社法改正に伴いストックオプションは費用として認識されることになりました。ここでは、ストックオプション費用の測定について解説します。

(1)公正な評価額
ストックオプションは発行者にとっては金融負債であり、公正な評価額によって測定されます。ここでいう公正な評価額とは、〇埔豌然覆鉢合理的に算定された価額のことをいい、いわゆる公正価値(fair value)と同じ概念です。市場価格が存在する場合には、ストックオプションは市場価格によって測定され、そうでない場合は、合理的に算定された価額で測定されます。

〇埔豌然
市場価格は、一般に、市場において形成されている取引価格、気配値又は指標その他の相場に基づく価額のことをいいます。たとえば、ストックオプションの市場価格は以下で入手できる可能性があります。

東京証券取引所  株券オプション取引市場
大阪証券取引所  株券オプション取引市場
その他のオプション市場

しかし、上記の市場はあくまで限られた銘柄しか扱っておらず、また、権利行使価格、権利行使期間も数種類に限られています。特に、市場で取引されているオプションの権利行使期間は非常に短いものが多く、ストックオプションの発行条件に合致するオプションは皆無に等しいといえます。したがって、通常ストックオプションの市場価格を入手することは極めて困難だといってよいでしょう。よって、ストックオプションは、公正な評価額として合理的に算定された価額を用いることが一般的です。

合理的に算定された価額
ストックオプション会計基準では、「株式オプション価格算定モデル」等によって、合理的に算定された価額を求めることとしています。たとえば、ブラックショールズモデル、二項モデルが代表例で、他にもモンテカルロシュミレーションが実務で使われています。

この合理的に算定された価額を求めるにあたっては、会社が採用するモデル自体、及びモデルを用いて実際に算定する際のボラティリティ、利子率等の価格決定変数は、恣意性を排除して決定しなければなりません。
特に、会社が採用するモデルは、算定対象である個々のストックオプションに固有の特性(たとえば、業績条件や、償還条項、行使価額が日々変化するオプションなど)を考慮したうえで決定しなければ、費用の過大・過小計上はおろか、投資家に多大な誤解を与えてしまうおそれがあるので注意が必要です。オプションによってはブラックショールズモデルを使用できないケースがあり、実務上この点に気をつけなければなりません。