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2006年05月31日

●S/Oの公正な評価額の算定方法3

公正な評価単価を算定するにあたって、注意すべきもう1つの要件に「株価変動性」があります。

「株価変動性」は、通常、「ボラティリティ」と呼ばれているものです。
私が、企業の経理担当者とお話している中で、この「ボラティリティ」は、過去の自社の株価の観察期間を変えることによって、ストック・オプションの評価額は、操作できるのではないかの発言を相当数、お聞きすることがありました。
しかし、「ストック・オプション会計基準」は、恣意的な「ボラティリティ」の算定を一切排除する厳しい規定を設けています。具体的には、次のような規定を設けています。

過去の株価実績に基づく予測(ヒストリカル・ボラティリティ)を基礎としつつ、次のような要因を考慮する。
(1) 株価情報を収集する期間(以下「株価情報収集期間」という。)
予想残存期間に対応する直近期間の株価情報を用いる。
(2) 価格観察の頻度
一定の観察頻度で、一定の観察時点に規則的に価格を観察することとし、これをみ
だりに変更してはならない。観察頻度は、信頼性のある測定を行うために十分な情報
量を確保できる限り、日次、週次又は月次のいずれを用いてもよい。

このように、「ボラティリティ」の恣意的な算定は、認められないと考えるべきです。